"せえの” で 余白の空

ついばんだ 桜 1つ

イケナイコトカイ

実はとても悪い事をしている。

人気がない夜道を自転車で走る時に

こっそりイヤホンをつけて音楽を聴いている。

一応、音は小さめにしてノイズキャンセルはせず

外の音は取り入れる様にしてはいるけど

してはいけない事をしているのは確かで

でも音楽を聴きながら風を切って走る気持ち良さの誘惑には勝てない。

今日は推しグルのメンバーがお勧めしていた曲を

新たにRe:プレイリストに入れてシャッフルスタートさせた。

どのタイミングで新しいお気に入りの曲が流れるか

それもワクワクの1つだ。

 

好きな人が今自分が気に入ってる曲や好きな曲を教えてくれるのが好きだ。

それが自分にも響いた時に知らない世界のドアが少し開いた気がする。

当然響かない時もあるのだが、それはそれで構わない。

私の好きと、他人の好きは違って当然で

だからこそ好きがマッチした時がより嬉しいし気持ちが良い。

だから推し達には

「もっと、アナタの好きを教えて欲しい」

 

10代の頃に好きだった人に沢山色々な曲を教えて貰った。

それこそ邦楽も洋楽もジャンルも幅広く

自分の知らないアーティストや曲、様々な世界を覗かせてくれた。

知らないものが多い時だからこそ、新たに知る曲は

私の人生に置いて切っても切れないものになった。

今でも、彼に感謝している事の1つではある。

とっくに縁なんて切れてるからこの感謝は届く事は無いが。

 



 

音楽と共に流れる街の景色は

秋の雰囲気を残しながら、吐き出される息はもう白みがかっていて

冬が大好きな私には更に期待が高まる時期でもある。

帰路の途中で何枚か写真を撮り、もうすぐ自宅に到着というところで

雰囲気にぴったりの曲が再生された。

普段ならしないが、1本手前の道に逸れて遠回りする事にした。

幹線道路沿いのオレンジ色の街頭に照らされながら

ゆっくりと走り歌詞を口ずさむ。

家の前についた時に見上げた空には1つだけ明るく光る星。

いつかの大遊星ではないが。