"せえの” で 余白の空

ついばんだ 桜 1つ

Cry for the Moon

※大変重い内容なのでそういう話題が苦手な方は戻って下さいませ。

 

 

何時もなら、ちょっとふざけた文章を織り交ぜながら綴るスタイルだけれど

今回はそういう内容ではないので淡々と。

 

 

40年も生きていると、あらゆる体験をして経験を積んでいくけれど

それでもまだまだ未体験な事や知らない事というのはあるもので

今年も早速そういう出来事がおきてしまった。

出来ればこれは一生体験したくなかった。

 

推しが自ら命を絶ってしまった事。

 

正確には私の直接の推しではなく

私の30年来の親友の推しだ。

亡くなったその週末、日本でイベントがあり

勿論そこに行く予定でチケットを取っていたし

来月には直接本人と対面で会うイベントの予定もあった。

コンサートも遠征する予定で、その為に今のうちに働いて

その日休める様に頑張らないとという話を数日前にしたばかりだった。

 

夜中にその子からの連絡で知った私は

動揺して会話出来ない本人に代わって自分で情報収集をしたが

まるで頭を鈍器で殴られた様に

視界も思考もぐるぐるとしていたし身体も指も震えが止まらなかった。

 

ほんの何日か前まで普通にそこに存在してくれていたのに

もう一生理由も解明出来ない世界に旅立ってしまった。

どうしたらいい?

そう呟く親友に私は何も言えないままだった。

 

彼はファンにとって生きる理由だ。

でも、本人にとっては果たしてどうだったのだろう?

その立場が苦しかったりしんどかったりしたのだろうか……

自ら明日への道を閉ざしてしまいたくなるほど

何も見たくないほど辛い事が彼を支配していたのだとしたら

こんなに苦しい事はないし

ファンはそれを一生考え抱えながら生きていく事になってしまった。

暫く時間を置いて、落ち着いて考えられるようになったら

もうその辛さに悩まされる事はない世界に行けたのだと

考えられる日がくるかもしれないけれど、それにはまだまだ時間が必要だ。

加えて、周りの無理解も傷を抉る。

家族や身内、長年生活を共にしたペットとの離別は

理解して貰える事柄ではあると思うけれど

現状、推しとヲタクという関係性では世間はなかなか理解してくれない。

大袈裟なと、アイドルや芸能人を好きになった事ない人からしたら

そう思うのだろう。

既に充分傷ついて、心を痛めているのに

それを揶揄したり鼻であしらわれる事すらある。

そんな風に必要以上に傷ついている親友に私は

「どう?休めてる?食事は出来てる?」と尋ねる事しか出来ない。

 

彼が亡くなって1週間経った頃、お花を飾った。

今この瞬間もきっと彼の死を嘆いて悲しんでる人達がいる。

それは世界中にだ。

何処かの国では、お寺に遺影を飾り何人ものファンが

ロウソクとお花を捧げていた。

 

私の中で一生忘れる事が出来ないし、忘れる気も無い出来事だが

この時の感情を1ミリも逃したくなかったのでブログに納める事にした。

 

最後まで読んでくれた人がいるなら

ありがとうございます。

そして

そんなあなたも誰かの生きる理由かもしれないと思って貰えたら嬉しいです。

それは別に肩書や職業とかで特別に作られるものではなく

どんな人でも、その可能性はあるんだという事。

 

こんな事言ってるけれど

私も20代の頃は死にたいっていう感情は普通にあったし

そういうのってある意味、誰しもが通る通過点でもあると思うんだけれど

だからこそ

自分で自分を大事に出来ない時に、少しでも声を出してくれたらいいなと思う。

直接何かをしてあげられる訳じゃないんだけど

少なくとも私の目や耳の届く範囲で

同じ様な事が起きないように

真っ暗で何も見えない世界の中で少しドアを開けておいて

漏れ出る光の様でありたいと思うから。

 

だいぶ、おこがましいかも知れないけれど……。